永遠のゼロを読んで
百田尚樹の「永遠のゼロ」をお借りして読みました。
深い重い気持ちを涙が流します。
世間の書評を読む前に(実際の戦時の状況と隔たりがあるかを調べる前に)自分の感想となるものを書き残したいと思います。
度々ブログをそんな場にしていますが、ご容赦下さい。
感想要約
『戦地に赴かされた人々は(狂信洗脳される)盲信のバカじゃない。しかし愚かな人が支配すると何が起きるか起きたか。真意や事実を無視した軽薄な言葉の凶刃。組織と集団の力と強制力。メディアと群集(世論)の恐ろしさ。』
現代に通じる事も多々ありますね。
現代を舞台に高山という登場人物が、分かりにくいけれど多くの人が陥りやすい失敗を披露している。
兵庫の号泣県議院みたいに、一言で言えるけれど筆舌に尽くしがたい『醜さと愚かさとそれを支えるもの』を長いストーリーの中で良く表現されていると思う。
この先は、長く長くなりますのでひとつずつ区切ります。
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戦争について。
戦争について書ける事は無い。当事者ではない人の目が見出だすものなど所詮現場に立つ人々の腐心からは掛け離れたものであろうから。
しかし、侵略戦争に従事していた世界情勢については、わずかながらでも学び続けなくてはとも思う。(現代も含め)
……激しい争いや悲惨な最終手段は、そこに到達させない事が最も大切だから。
一時的な回避よりも、長期の回避と建設的な未来が待ち受けるものがベストだ。
だが完全な脅威となり、尊厳を奪われる理不尽な事には期を見て毅然と対抗すべきだろう。
戦争ではない手段。
それは現代においても力関係が大いに影響する世界。
地道な、一貫した姿勢を打ち出して、もがき模索するしかない。
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平和について。
様々な意見があるかと思うけれど、日本人は一瞬の平和的なものを実現させている。
暴力で解決する事を良しとせず、力や権力が弱い人が多少生きやすい社会になっている。
抑止力は様々な弊害を生みながらも権力による直接暴力や動物並の扱いを減らしてきている。
それには多くの被害者や人身が費やされて来たからこそ今があると忘れてはいけない。
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組織の事
会社組織や政治の話しは作品の軍部と隔たりの無い問題を抱えている。
またそれとは大いに隔たる問題も抱えている。
人の悩みと同じだけ多岐に渡る種類があるけれど、大きなものだけ少し書き出してみます。
ひとつは学歴優先(良し悪しあるが悪い面)
愚かな人が上に立つ時の余分な苦労と結末。
逆らう事を良しとしない社内風潮。
黙する事での責任逃れ。
逆に…
目的に従事しない個人主義。
声を大にした者への盲従。
現場と全体を無視した理想論による社内扇動(無責任)
…痛々しいのでこの辺で
答えが無ければあげつらっても意味は無いのですが…
組織内での、個人個人の技量に合わせた個人会社主義的な…ものはひとつの解を得るようで理想論…???
まぁ、私に答えが出せるならとっくに色々解決していますね(笑)
楽しかろうが味気なかろうが、責務に従事し(邁進を怠らず)収入に見合う利益を上げて健康を維持できたら、まずは及第点だと思います。
書く事が尽きませんが、逆説的に国に置き換えるならば、本当に難しいなと思います。
変わらず中心に有るのは人の力。
高い志を持つ人が歴史から学び、少しでもより良いものを模索し実現できる事を願ってやみません。
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世論とその影響。
広げまくってますが、戦前と変わらぬ構造が見え隠れしています。
メディアの罪はそれを誘導した者の罪でもあります。
また誤った内容を全て避けるとするならば新聞や番組は成り立たない側面を持ちます。
文章で正しく表現するという事は物理・数学を除き専門書でも困難です。
風潮(世論の前段階)というものは波紋の重なりから大きな波になる様に似て、その原動力となるものは人により異なります。
日本は目に見える他民族支配は戦後を除きありません。
※アイヌや琉球、階級別の支配、類似したものは枚挙に暇が無いのですが
自ずと世論は、個人や家族や地域や会社単位の思想から発生しやすくなっています。
…まぁどこも一緒という見方も出来ますね。
すると日々どうにか生活して行ける事を基準に大局は見えにくくなります。
外務省は何でも公表するべきではない、という意見はこういった事から世論に振り回される事も憂慮したものだろうと想像します。
世論は作品の中で、戦前と戦後の軍人さん達への見方や処遇の激変さで恐ろしい威力がある事を描いて見せています。
(この力は近年まで起きている無実の方への迫害等々にあらわされているように、決して紙上のものではありません)
一人一人がオールマイティな見識広い専門家になる事は非現実的です。
ですが、慎重に物事を推し量る事は出来ます。
特に言動…言葉と行動(しぐさ)を大切にする事は、生み出される世論を鑑みてもメリットがあると思います。
それにより、どんな社会が生まれるかは分かりません。
ちょっとゴシップ的な刺激に欠けるものになるかもしれませんね(笑)
しかしミニマムな実現された時を振り返って見るならば、冗談は冗談の範疇で納まり、無為な悪意や悪口が闊歩しない、個人的には好ましい空間かなと思います。
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終わりに。
ざっくりとですが、長々と書いてしまいました。
ずっと想う事に幾つも思索が伸び、今の気持ちを抜き出して書き残さずにはいられませんでした。
…店のブログである事は忘れたい((^_^;)
永遠のゼロは、賛否両論あると思いますが、私は良い本だと思います。
皆様はどんな感想を持たれたのでしょうか。これからネットの世界で垣間見せて頂こうと思います。
それでは、また。
m(_ _)m